別れ道での約束
元旦の神社は人が多いから、はぐれないように手を繋いで歩く。


「貯金?すごい。偉いね!」


大智がそんなに堅実だとは思わなくって、驚きだった。


「大学受かったら、金かかるから貯めてるんだよ」


「そっかあ、うん。そうだよね」


大学受かったら…それはもちろん喜ばしいことだけど、そうしたら大智は遠くに行ってしまうから…、寂しい気持ちもあって複雑だ。


参拝した後、絵馬を買う。


志望大学に合格しますようにと書く。


私たち受験生の共通の願い。


私は心の中でそっと受験に関係ないことを願った。


大智と幸せになれますように…と願う。


「よし!これで合格出来る!」


私の密かな願いなんて知らない大智は絵馬をかけて、手を合わせて拝む。



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