私が彼を裏切った日
サーッと血の気が引き、一気に酔いも覚める。
「ごごごごめんなさい!今のは忘れて下さい!!」
「嫌、忘れないよ?だって俺も麗奈が好きだから」
悪戯な笑みを浮かべた先輩は、野球部と隣接する陸上部の部室へと私を連れて行く。
「んっ…せんぱ…」
容赦なく降ってくる先輩のキスに、頭の中がグルグル回る。
「あっ…待って…其処は……んっ…」
抵抗も出来ないまま、先輩を受け入れた。
智ごめん…私、拒めなかった。
だってずっとずっと大好きだった先輩が今、私だけを見てくれるの。
今だけ、先輩を愛する事を許してね。
