私が彼を裏切った日
「わぁ~此れ美味ひぃ♪」
誰かが持ち込んだお酒を、知らずにグイグイ飲んだ私は既に呂律が廻らない。
「大丈夫か?少し外の風に当たろう」
彼に連れられ、私は外へと出た。
部室前のベンチに座ると、ヒンヤリした風が頬を掠める。
フフッ♪気持ち良い~。
私はご機嫌で、彼の肩に頭を預けた。
「ヒック…智、先輩と一緒に…入って来た事…誤解しないれね?…初恋の人らけど、今は智だけらから…ヒッ…ク…大しゅき」
廻らない呂律で智への思いを伝え抱き締める。
「へぇー麗奈の初恋の相手って、俺なんだ?嬉しいなぁ~」
へっ!?
慌てて顔を上げると、其処に居たのは智ではなく秀司先輩だった。