For 10 years
告白
俺はリビングへ戻り、ソファーに腰掛ける。


ずっと考えてた。


優太くんが亡くなって三年……


そろそろ俺の気持ちを伝えたいって。


絢華ちゃんを見ていれば、今でも優太くんのことを愛してるってわかるし、他に目を向けれないってこともわかっている。


それに……


俺のことを特別な目で見ていないってことも。


それでも、伝えることで少しでも俺の気持ちを知ってほしい。


少しずつでいいから、俺の方を見てほしい。


そんなことを考えていると……


絢華ちゃんが風呂から出てきた。



「隼人さん?」


「あ、絢華ちゃん。二人とも寝るのはえーな」


「はは、疲れてたんだね。隼人さん、ありがとう。ほんとにゆっくり入ってきちゃった」


「そっか、それは良かった」



絢華ちゃんはやっぱり俺の方を見てくれない。


きっとこの服のせい。


だけどそれよりも今は、絢華ちゃんの目が気になった。



「絢華ちゃん、泣いた?」


「……」



絢華ちゃんは何も言わずうつむいた。
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