青空バスケ―3rd―

「でも……まぁ、よかったよ。
今は幸せそうで」

「蓮ちゃん……」


蓮ちゃんは……いつもこうやってあたし達を見守ってくれていた。

だけど……今は……

今度はあたし達が……


「蓮ちゃんは……いつもあたし達を心配してくれたよね」

「いろいろ危なっかしいからな。
お前らは」

「……でも、あたし達も蓮ちゃんのことが心配だよ」


……突然、蓮ちゃんは足を止めた。


「蓮ちゃんはあたし達のことは心配して、いろいろ相談とか乗ってくれるけど……蓮ちゃん自身はあんまり弱音とか吐かないから……」


昨日……初めて見た蓮ちゃんと弱いところ。

出会ってから八年以上経つけど、見たことがなかった姿。


「でも……あたし達、全部受け止めるよ。
蓮ちゃんが泣きたい時も……辛い時も苦しい時も……ずっとそばにいるから」

「岬……」

「あたし達は……いつでも味方だよ」


何があっても……それは変わらないから。

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