青空バスケ―3rd―
あたしが蓮ちゃんから声の主に視線を移すと……女性二人があたし達の前に立っていた。
一人はメイクが濃い女性で、もう一人はそれとは対照的な大人しそうな女性。
どっちもあたしとそんなに歳が変わらなさそうだった。
「………………」
メイクが濃い女性があたしを鋭い目で睨んできた。
……あたし、何かしたかな……?
あたしが戸惑っていると、蓮ちゃんがメイクが濃い女性を見ながら口を開いた。
「……何だよ、蛯原」
蛯原さん……っていうのか。
……蛯原さんはいまだにあたしのことを睨み続けている。
「その女、誰よ!」
そう言いながらあたしをビシッと指差す蛯原さん……。
「マユミ、やめなよ……」
「梨子は黙ってて!」
大人しそうな女性……梨子さんが蛯原さんを止めようとしたけど、ほぼ無意味だった。