青空バスケ―3rd―
スーパーの中に入ると、すぐに栞奈の姿を探した。
すると、栞奈は買ったものを袋に詰めている最中だった。
「栞奈」
俺が声をかけると、栞奈が振り返ってこっちを見た。
「大和!早かったね」
「まぁな」
早く会いたかったから、なんて言えない。
「今日の飯、何?」
「肉じゃがだよ」
「お、栞奈の肉じゃが久々かも」
栞奈の料理はお世辞とか抜きにしても美味い。
いつの間にこんなに料理上手になったのやら……。
栞奈がビニール袋に詰め終え、俺はそれをひょいっと持ち上げた。
「え、いいよ。そのぐらいなら持てるよ」
「ダメ。
男としてそれは許せない」
俺がそう言うと、栞奈は小さく笑いながら頷いた。