青空バスケ―3rd―
スーパーからの帰り道。
二人並んで家に帰る。
「なんか、こうしてると学生時代に戻ったみたいだね」
「そうだな。
ほぼ毎日のように一緒に帰ってたもんな」
そんな当たり前の毎日は大学卒業を機にあっさりとなくなってしまったけど。
それでも栞奈が俺の隣にいることに変わりはない。
俺はビニール袋を逆の手に持ちかえ……空いた手で栞奈の手を握った。
「……幼稚園の頃はよくこうして歩いてたよな」
俺がそう言うと、栞奈はキュッと優しく俺の手を握り返した。
「懐かしいね。
もう20年ぐらい前だよ」
「20年か……」
長いようであっという間だったな……。
「でも、やっぱり一番思い出に残ってるのは中学、高校時代かな~」
「いろいろあったもんな」
「バスケ抜きにしてあたし達の青春は語れないよね」
栞奈が笑いながらそう言った。