青空バスケ―3rd―

「うわ~、萌ちゃんのお弁当美味しそうだね」

「うん!
パパね、お料理上手なんだよ!」


いただきます、と小さな手を合わせてお弁当を食べ始める萌ちゃん。


「栞奈せんせーのお弁当は誰が作ったの?」

「これはね、先生が作ったんだよ」

「本当!?
すごーい!!」


萌ちゃんはキラキラした目をあたしに向けた。

本当に可愛いなぁ……もう。


「萌もお弁当作れるようになりたいなー」

「誰に作ってあげるの?」

「パパ!!」


萌ちゃんは本当にパパが大好きなんだね。

笑顔の中に……時折見せる、寂しそうな顔。

……本当はパパと一緒にお弁当食べたかったんだよね。

寂しいんだよね。


それでも……萌ちゃんは絶対にそのことを口に出さなかった。

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