青空バスケ―3rd―
……萌ちゃんはきっと知ってたはず。
今日がお母さんの命日だって。
分かってたからこそ……どうしても行きたかったんだと思う。
たった5歳の萌ちゃんにとって……お母さんとの忘れられない思い出の場所だから。
あたし達は走った。
星の見える丘公園に向かって。
萌ちゃんは星が見たいと言ってた。
それは、ただの星じゃなくて……
萌ちゃんにとってはあの公園で見る星は特別なものだったんだと思う。
お母さんと見た……星空。
それをもう一度見たかった……。
……大好きなお父さんを困らせると分かっていても。
それぐらい、大切なもので……
萌ちゃんにとって大切な場所……。