青空バスケ―3rd―
真鍋と秋山が飛田に駆け寄る。
「……洋輝……」
秋山が複雑そうな顔で飛田の左腕を見た。
「左手首骨折。
全治二ヶ月だ」
監督が飛田の代わりにサラッと俺達にそう伝える。
「そんな……もうすぐウィンターカップの予選があるのに……」
冬の大会、ウィンターカップ。
その予選がもうすぐ始まる。
「……無理だろうな」
監督の言葉に……秋山がグッと拳を強く握った。
秋山……?
「っ…………」
秋山は何も言わずに俺達に背を向け……
「大地!!」
……走って病院を出ていってしまった。
「ダイちゃん……?」
「大地……」
真鍋と飛田が呆然と秋山が去っていった方を見つめる中……監督はそっと俺に目配せをした。
……分かってますよ。
俺は秋山を追いかけ、病院を出た。