青空バスケ―3rd―

「洋輝にとって今年のウィンターカップは特別な思い入れがあったんだ……。
この大会が終われば、きっと洋輝だってキャプテンとして自信が出てくるって……そう言ってたのに……」


秋山の目からは……今にも涙がこぼれ落ちそうだった。


「なのに……俺がそれを潰した……」


……秋山と飛田は一年の頃から仲が良かった。

クラスでも部活でもいつも一緒にいたし、お互いにお互いの弱点を分かっていて、それを教えてあげられるような仲だった。


飛田がキャプテンに選ばれた時も、秋山は飛田本人より喜んでいて。

飛田に自信がないことも分かっていた。


だからこそ……今回のことは、秋山にとっては重たい現実で……。


「俺……どうしたらいいんだろう……」


秋山の顔は……とても辛そうだった。


俺はかけてあげる言葉が見つからず……ただ秋山の背中を擦ってやることしかできなかった。


……自分の無力さを感じた。

< 54 / 201 >

この作品をシェア

pagetop