青空バスケ―3rd―

「……同棲しないかって言われたの」

「え、大和に?」


あたしはゆっくり頷いた。


「……でも、無理だと思う」

「岬……」

「今のあたし達が一緒に暮らしても……良いことは何もないと思う」


……あたしはアイスティーを一口飲んだ。

蓮ちゃんは頬杖をついたまま黙っていたけど……あたしの顔を見てゆっくりと口を開いた。


「それでいいのかよ、お前は」

「……いい」

「ま、岬の気持ちも分からなくはないけどな。
大和は一つのことに夢中になると他のことに目が行かなくなるし」


分かってる。

大和の忙しさも、生徒達を本当に大事に思ってるってことも。

あたしだって同じ先生だもん。

園児のことは大事だし、仕事も大切。


でも……それでも、もっと一緒にいたいって……会いたいって思ってしまうあたしはワガママなのかな……?

< 58 / 201 >

この作品をシェア

pagetop