青空バスケ―3rd―

あたしはストバス内にあるベンチに座って、ボーッとしていた。

懐かしいな……ここ。


思いだすのは……キラキラと輝いていた、あの頃。


毎日が楽しくて、辛いこともあったけど……それでも、一生懸命だった……あの頃。


「あの頃があたしのピークだったのかなぁ……」


多分、24年の人生の中で一番輝いていた。

それが今では……。


「……はぁ」


今の自分を思うと、ため息しか出てこない。

六年経つと、こんなにも変わってしまうのものなのかな……。


その時……バッグの中からケータイの着信音が聞こえてきた。


ケータイの画面に表示された名前を見て……あたしは躊躇った。


「……もしもし」

《栞奈、俺だけど……》


大好きな人の声。

なのに……今は聞きたくなかった。

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