青空バスケ―3rd―
「なんか……ここに来たらさ、あの時が一番楽しかったな~って……」
「まぁ、働くよりは学生の方が楽かもしれないけど……」
「……あの頃より楽しい時って……来るのかな」
……二人の間に沈黙が流れる。
アキ君はじっとバスケのコートを見つめたまま……ゆっくり口を開いた。
「栞奈さ……仕事だけじゃないだろ。
悩んでるの」
「え……?」
「聞くつもりはなかったけど、やっぱ聞いといた方がいいな。
……大和と何があった?」
……何も言ってないのに、アキ君はズバリとそう聞いてきた。
あたしが驚いて何も言えずにいると、アキ君は小さく笑った。
「分かるよ。
大和と栞奈のことなら」
「本当……アキ君には敵わないな……」
あたしはコートの方を見ながら失笑した。