FULL MOON
ゆらり、揺れる
「かんぱーい!」

今夜は会社での飲み会で、こういった場が苦手な私は内心早く帰りたいと思いつつ、始まったばかりの会に心の中でため息を吐く。

「末松さーん、飲んでるー??」

開始30分程で早速酔っている同期の河田君を軽くあしらい、そっと席を離れて外に出た。
息を吐き、スマートフォンから同居中の彼に電話で飲み会でいつ帰れるか分からない事を話すと快諾してくれた。
そんな彼に若干の不満を持つ。

――早く帰って来いとか、言ってくれても良いじゃない…。

彼は優しいけれど、そんな彼に物足りなさを感じ、もっと刺激が欲しいと思ってしまう。
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