いい子にして
「今日はよく飲んでるね」

声の主は最近入ったカメラマンの佐賀秋人(あきと)

「いつもこんなものよ」
年下の彼に、ついぞんざいな口調になる。

「ずっと気にしてるでしょ。浅井陽助のこと」

「なんで・・・」

顔を向けた私を、秋人の瞳が捕えた。

次に見つめたまま微かに笑った。

それから彼の右手が私の膝に触れた。


「や・・・・・・」

思わず小さな声ともため息ともつかぬ音が唇から洩れた。

秋人の触れたところから軽い電流が流れている。

「やめなよあんな奴。千沙さんには似合わない」

 秋人の声が耳元で囁く。




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