いい子にして
 店の中はうるさいくらいなのに、
 彼の声だけが私の身体に伝わってきた。

 彼の右手がゆっくりと、
 膝から太ももを撫で上げていく。

 「お願い。いい子にして」

 私の声がかすれた。

 「ずっとあなたを見てたのに気がつかなかった?」


 彼から逃れようとする私を、彼の右手が引き寄せる。


 また私のなかに電流が走った。

 何回も。








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