今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
「とにかく…病院だよな!?」
どんどん意識が遠のいていく。晶の声が頭の中に響いていた…。

「…」
「亜紀さん!起きたよ!」
見覚えのない天井。気が付くと、そこはベッドの上だった。ここはどうやら病院らしい…。ベッドの周りには…両親と亜紀、そして晶が立っていた。
「みんな…ごめん。」
右腕には点滴が流れている。思う様に体が動かない…。なんとかみんなを見て言葉が出る感じだった。
「良かった…。」
亜紀が…大粒の涙を流し、隣では両親が亜紀を抱く様にして立っていた。
「…晶がここに?」
晶の言葉を聞いた後から…記憶がない。
「あぁ。勝手に見て悪かったけど…お前の携帯にここの病院があったからすぐにタクシー呼んだ。全く…あんな量の血初めて見たよ。なぁ…お前…?」
晶の顔…心配っていうより、何かを疑う様な顔だ…。
「太郎…。」
「…うん。」
亜紀の訴える様な声。もう、ここまで見られた。晶に隠しておく事は…出来ないだろうな…。
「全部…話すよ。」
遅かれ早かれ…知られなきゃいけない時がくるってわかってた。それが…今、この時なんだ…。家族以外に初めて話す真実…。
「…あと半年の命なんだ…。もうそれよりないかもしれ
< 77 / 214 >

この作品をシェア

pagetop