今…君のために出来る事 今…君のために生きる事
ないかもしれないけど…な。」
「…は?」
晶は僕の言った事が理解出来なかったのか…。その顔はまだ疑いをもっていた。…いや、呑み込めないって感じの方が強いのだろう。
『コンコンッ』
もう一度、晶に言おうとした時、ドアをノックする音が聞こえた。
「失礼します。」
ドアが開き、そこには先生が立っていた。そしてすぐ、僕の所へ近づいていた。
「目が覚めた様ですね。とりあえずは…大丈夫でしょう。」
僕の容態を確認しに来たみたいだった。そして…晶を部屋から出して、僕と家族に…今回の事について説明してくれた。そして…ひとしきり話し終えると、今度は僕に向かって話しを続けた。
「太郎さん…、何で昨日は来なかったんです?あなたの体は…薬で抑えてるとは言っても…。言いにくい事ですが…。」
それ以上の事は…先生の口からは出なかったけど…理解はしていた。僕だって…わかっている。けど、仕方ない事だってある。言いたいけど…言えない。
「とにかく…今後は気を付けて下さいね。今日はここに泊まって…次からは具合が悪くなったらいつでも来て下さい。」
「…はい。」
先生の言った事に…反論なんてなかったから…そう答えるしかなかった。
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