龍は花を守りけり ~~
「西藤さん?いらっしゃいますか?」

私は西藤さんの部屋の前でそう
言ったのです。

「あぁ…。いるよ?」

「失礼します。」

スッ

襖を開け、西藤のさん部屋の中へと
入ると、私は優しく微笑みました。

「西藤さん、海。行きましょう?」

「……海?」

「うん。海!」

「まぁ、いいが…。どうしてだ?」

「……死ぬ前にあの広い海が
 見たくってさ♪」

「……そっか。」

西藤さんはそう言って
私の頭を優しく撫でます。

それが居心地よくて、ゆっくり
瞼を下ろしました。

「よし。ちゃ~んと捕まってるんだぞ?」

「はぁ~いッ♪」

私がそう言うと西藤さんは私を
お姫様抱っこをし、空を飛ぶ。


この正常ではない日常。
端から見れば異常。
でも、私達からすれば…これが正常。


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