龍は花を守りけり ~~
「お…怒りますよ?」

私はそう言って
鳳仙花を西藤さんに渡す。

「……これは?」

西藤さんは首をかしげて、
私にそう問うのです。

「鳳仙花です。」

私はそれに対し、
当たり前の答えを返しました。

「いや、……まぁ、見ればわかるが。
 …いったい、なぜこれを?」

「……花言葉。」

私は小さな声で、そう言ったのです。

「確か……私に触らないで下さい。
 だっけか?」

「はい!そうです。」

私はニンマリと笑い、そう
言ったのです。

「……君の気持ちかい?」

「えぇ、全くその通りです。」

「冷たいねぇ……。」

西藤さんはそう言って
怪しい笑みを浮かべたのです。

「おい!華よ!」

奥から店長の声が聞こえて
きたのです。

「はぁ~い!只今!」

私はそう言って
西藤さんの横を通りすぎました。

が。

ガシッ

「キャァッ!」

腕を捕まれ、西藤さんの
胸の中へとスッポリと包み
込まれてしまったのです。

「ちょ…離して下さい!」

「お~いッ!華!はや……く。」

店長は、奥から出てきて
西藤さんのことを見るなり、
目を見開いたかと思えば……。

「西藤様!…どうもお越し
 頂いて…。」

そう言って
丁寧にお辞儀をするのです。

こんな店長は、見たことも
なかったのです。
それはそれは、驚きました。


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