君に Ⅰ
その図書室の中心には読書スペースというものがあり、そのスペースにはイスが2つと広いベンチが1つ置いてある。
俺は、そのイスにゆっくりと座って寝るのが毎日の日課なんだ。
今日も、女たちの黄色い声を浴びながら、1日を過ごした。
そして、帰りの会が終わり、みんなが家に帰り始めるとき、俺は教室をあとにする。
「葵さま~!!さようなら!!」
「ああ。また明日ね。」
「きゃぁ~~~~~」
俺は笑顔をふりまきながら、図書室へ向かった。