君に Ⅰ

その日以来、その子とはよく一緒に行動するようになったのである。


その子の名前が、そう。
木村 真琴だった。

真琴は木村書店という少し小さな会社の娘である。
同じ学校に妹と弟がいるという。



私には兄しかいない。
下の子がいるのは、とても羨ましかった。

そんな話をすると、また一段と仲良くなれた。


そんなことが、私にはとても嬉しかった。

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