気づいてよ…
「美羽、俺トイレ行ってくる」
「はい、行ってらっしゃい」
美羽の笑顔に見送られてトイレに行く俺。
それだけで嬉しくなってしまう。
でも、それは俺だけじゃない。
この学校の生徒のほとんどが1度は美羽の笑顔に癒されたはず。
美羽の笑顔は特別だから。
「奏!」
トイレから出て教室の前まで戻ったら秀斗(syuuto)に声をかけられた。
秀斗は高校に入ってからの友達。
「おはよう秀斗」
名前の通り、サッカー部員。
「どうだ?緊張してるか?」
俺の美羽への気持ちを知っている唯一の人物でもある。
俺から言ったんじゃなくて、秀斗が当てた。