騙されないんだからネッ!【完】



「聞くよ?」


「もう自分を責めるのやめろ」


………

自分を責めるのやめる?

そんなの…


「それだけは聞けない…」


「夏…
あの事はオレが好きでした行動だ
だからいつまでもそんな抱え込まれたらオレも楽に過ごせない」


でも…


でも!!


「あの事故で皐月お兄ちゃんが私を庇わなかったら…
皐月お兄ちゃんは怪我せずにすんだし…
夢も叶っていたかもしれないのに…」


皐月お兄ちゃんの夢


それはサッカー選手になること…


私が事故に遭いそうになったのを庇ったせいで足に怪我をした


そして医者には『もうサッカーは出来ない、諦めろ』と言われた


でもお兄ちゃんがいなかったら確実に私は即死だったらしい


私はこの時から自分を責めてる

私が事故で死んじゃえばよかったんだって


「あの時私が死ねばよかったんだよ
それに私は養子だし…」


「それは違う!!」


!?


「あのな…
オマエは死んでいい人間なんかじゃない
夏がいなくなってたらオレは壊れてたかもしれない」


そんな大袈裟な…


「あとな…」










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