GORIO-ゴリオ-
ゴリゴリのゴリコ

ずっとずっと考えて、そして考え過ぎて言えなかった事。


それは…


「ゴリオと一緒にいたいからよ」


ずっとずっと隣に並んでいたいから。

ずっとずっと隣を歩いて行きたいから。


なのに声色を強くしたゴリオが問い掛けてくる。


『だから何でだよ』


一緒にいたいからだと今理由を言ったばかりだと言うのに、全く信じていない顔でゴリオが私を見ている。

『何でだよ』「一緒にいたいからよ」そんな押し問答を何度も繰り返しながら、一向に理由を聞き入れないゴリオに徐々にイライラが募って来る。

私の一緒にいたいという理由に全く納得していないゴリオは、相変わらず疑わしげな目で私を見つめている。

本心は違うんだろう?とでも言いいたそうな顔だ。

どうしてゴリオは一緒にいたいという理由では納得してくれないのか。

それが一番の理由だと言うのに。


『どうして一緒にいたいと思うんだ』


そしてゴリオの何度目かの問いかけで、ついに私の我慢は限界を超えた…

一緒にいたいというのは本当の気持ちだ、なのにそれだけでは納得できないと言うならば、私の純粋な気持ちを理解出来ないと言うならば、だったら言ってあげるわよ!

何でって…そんなの決まってるじゃない!


「ゴリオが私よりもガタイが良くてゴツくて毛深いからよ!」


私が勢いで叫んだ言葉は、『やっぱりな…』と言うゴリオの盛大なため息と共に返された。


『そりゃあオマエ、自分よりマシな奴を探してるだけじゃねーか』


ギクッ!


『自分よりガタイが良くてゴツくて毛深い奴が隣にいれば、自分の方がまだマシだって思えるからだろう?』


ギクギクッ!


『オレなら丁度良いと思ったからだろ?』


ギクギクギークギクッ!


まさか…鈍感なゴリオにそんな事を言われるとは思ってなかった。

そんなに察しの良いゴリラだとは思ってもみなかった。

ゴリラに私の気持ちが理解できるとは露ほども思わなかった。

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