GORIO-ゴリオ-
驚きの余り、返事も出来ずにただ押し黙る私にゴリオが呟く。
『ほらな?やっぱりそうなんだろ』
違う……
本当の気持ちはそんなんじゃない。
決してそんな身勝手な理由からじゃない。
そんなまるで人を人とも思わないような、ゴリラをゴリラとも思わない様な傲慢な理由からじゃない。
そりゃ…ほんのちょっとはそんな事を思わないでもなかったけれど、
そんな事だけが決して告白した理由じゃない。
ゴリオに置いて行かれたくない理由じゃない。
なのに俯いたまま何も答えない私を見て納得したようにゴリオは言った。
『オマエの考えてる事なんて丸分かりなんだよ。俺たち一体何年一緒にいたと思ってるんだ』
だったら…
そんな自信満々に言うのなら、
私の考えが丸分かりだと言うのなら、簡単にそんな理由だと決めつけないで欲しい。
先輩と身体の関係があったと聞いた時だって、本当はすごくすごくショックだったのに。
今だってまだ心臓がえぐられそうに痛いのに。
必死に堪えなければ今すぐ泣き出しそうな程悲しいのに。