GORIO-ゴリオ-
こんなみっともない嘘をついてまで、付き合って欲しいと迫っているこの状況を何とかしてよ。
本当はゴリオが毛深いから付き合いたいんじゃない。
私よりガタイが良いから付き合いたいんじゃない。
私より眉毛が太いから付き合いたいんじゃない。
誰より何より心優しいゴリオに私が恋をしたからだ。
ずっと側にいたいと心の底から願う程恋しく思っていたからだ。
いつだってその大きくてフカフカな胸で、どんな事も受け止めてしまう優しさに憧れていた。
その揺るがない優しさにゴリオの強さを感じて、どうしようもなく惹かれていた。
いつだってゴリオは優しかった。
涙が出る程優しかった。
『泣くな美紀』
優しく包み込むような声に、俯いていた顔を上げる。
そっとゴリオを見上げると、私の瞳から涙が零れ落ちた。
私の頬を濡らす涙をゴリオの毛深くて無骨な指がそっと拭う。
いつだってゴリオは優しかった。
泣きたくなる程優しかった。