GORIO-ゴリオ-
だって仕方ないじゃない、良男なんていう優しい容貌じゃないんだから。
むしろ良男じゃなくて悪男(ワルオ)と言えるような厳つい容貌なんだから。
良男は、ヨシオという人の良さそうな名前とは正反対に厳つい容貌とゴツイ体格をしていた。
大学でもラグビー部に所属している為、もともと大柄で筋肉質だった体格がますます増強され、今では強靭で完璧なラガーマン体型になっていた。
身長190センチ、体重95キロ、体脂肪率8%、鼻筋の通った彫りの深い顔に、浅黒い肌、真っ黒で硬質な髪、太い眉毛に、毛深い腕と脚。
そう、その外見は正に――
ゴリラだった。
ゴリラみたいな男だった。
しかもボスゴリラ級の。
体脂肪8%の歩く筋肉。
歩く筋肉だるま。
きっと良男ならボスゴリラでさえ素手で倒せる事だろう。
ゴリラよりも強い男。
それはゴリラの中のゴリラ。
まさにゴリラオブザイヤー。
それはもうゴリゴリのゴリ…
『うるせぇよ』
はい、すいません…。
ゴリラについての考察がついつい口に出てしまっていたようだ。
『大体ゴリゴリのゴリラって何だよ』
呆れたように言うゴリちゃん。いや、ゴリオ。