GORIO-ゴリオ-
「ゴリオ…ごめん」
俯きながらそっと小さく呟いた言葉は、
『だから誰がゴリオだ、告白相手に対して失礼過ぎるだろ』
ゴリオの耳にしっかり届いてしまっていたようだ。
ゴリオの癖に耳聡いわね。
目の前のゴリオ…いや、良男(ヨシオ)は私の幼なじみだ。
それこそ幼稚園から大学までずっと同じ学校に通っている。
今いるこの夕暮れの教室も、私と良男が通っている大学の1室だ。
「ゴリちゃんごめんね」
俯いたままもう一度謝る。
『可愛く言っても許されねぇぞ。それに大体なぁ俺の名前はゴリオじゃなくて良男だっつーの』
どうやらゴリオはますますご機嫌ナナメになってしまったようだ。
せっかく人が謝っているというのに。