【短】悲観的恋愛物語
『たいした物ではないですが、お礼はさせてください。あのお金は預かってたものだったので、本当に感謝しているのです。』


そんなに感謝されるほどって…いくら入ってたんだろ?

あたしは中身見てないし、警官もすごい驚いてただけだし。


「本当にお礼は結構です。でもそこまでおっしゃるのなら、一つお願いを聞いてくださいませんか?」


物なんかより、今あたしが必要としてるもの。


『はい。何でしょうか?』


この人、簡単にそんなこと他人に言って大丈夫なの?

あたしじゃなかったら、騙されてたかもよ?


でも余計にあたしのお願いを聞いて欲しくなった。

だって、素直な人に頼みたかったし。




「メールの相手をしてくれませんか?暇なときだけで構わないので、あたしの話聞いてください。」


男なんてどこまで信じれるか分かんないけど、顔も知らない相手ならいくらあたしでも騙されるわけないよ。
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