Sales Contract
駅の近くにはショッピングモールがある。
少しの間私たちは、その中に入っているスターバックスに居座ることにした。
カフェラテを二つ頼んで、窓際の席に腰かける。
そして、目の前に座っている春樹を眺めてみた。
賢いのに不真面目な性格は昔のままのようだけど、見た目は確かに変わっていた。
暗い茶色に染められた髪、黒縁のメガネ、 少しだけ目尻にできたしわ、腕にはめられたロレックス。
それらは大人の男性を象徴していて、色気すら感じられた。
やっぱりこの人は、うちの会社の同年代の男性とは少しだけ違う。
大人の余裕があるっていうか…
とにかく色っぽいんだ。
しかも年をとる毎にその色気は増している。
それは勝也くんとは明らかに違う魅力だった。