河の流れは絶えず~和泉編~
瞬間、彼女の唇を指で押さえた。

「この話は試験が終わってからにしよう。な?」

街灯が照らす彼女の顔をしっかりと確認するように見た。

わかってほしかった。

「さ、お帰り。僕も帰るから。」

そう言いながら踵を返して歩き出した。

今の俺にはこれが精一杯だった。

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