河の流れは絶えず~和泉編~
「その子を見て他にどんな風に感じたの、おばさんは。」

それを聞いておばさんはそのときのことを思い出して見ながら、腕組をして、しばらく考えていた。

「そうさねえ、始めはさ、あれ、別嬪さんが来なすったねえ、浩ちゃんのいいひとかしら?なんて考えてもみたんだけどさ、話をしているうちにさ、この子はなんか冷たいものがある、とは感じたよ。なんというのか好きな人を慕って来ている、という目をしていなくてね。愛想はいいけど、目は冷めてたね。」

一息ついて、おばさんは俺を見た。

「その、笑い顔がねえ、なんていうのか、ぞおっとしたんだよね。だからさ、もし、浩ちゃんのいいひとだったりしたなら、あんたの目を覚まさせてやらないと、と心配になったんだよ。」

いつしか、おばさんは自分で団扇をつかっていた。

「、、、、ほんとに、いいひとなんかじゃあ、ないんだね?え?」

そういう、おばさんの目はちょっと疑いが込められていて、じとり、と睨まれている感じが否めない。
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