河の流れは絶えず~和泉編~
ふと、顔をあげた彼女と目が合った。

ああ、なんて顔をするんだろう、、、、。

そう思うと体が勝手に反応して、一瞬、ほんとに抱きしめようとしてしまった。

だめだ!

今はだめだ!

理性を最大級に働かせ、すぐ手を離して、ふいっと顔を背けた。

ああ、、、、、こんなに辛いことが世の中にはあるんだ。

苦しさの中、そう思った。

「あの、、、、佐脇さん?どうかしましたか?」

と彼女は心配そうに聞いてきた。
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