初体験の彼【TABOO】
ガラリッ!
威勢良く扉が開き、突然侵入者が現れる。

「久し振りね!」
「会いたかったわぁ!」
「ねえ、あたしのこと覚えてる?」

ぞろぞろぞろ。三人の女性が入り込んでくる。

「な、なんだ彼女達は!?」
目を丸くして叫ぶ彼に、あたしは笑って答える。
「うふ。あたしがここに呼び出した人は、あなただけじゃないの」

彼女達は当時、彼が付き合っていた女の子達。
そう、あたしは最悪の四股をかけられていた。
その事実を知ったのは、すでに初体験が終わった後。

最悪の初体験は、忘れられない深い傷を残した。
生涯ただ一度だけの、宝物の思い出を踏みにじられて。
本当に好きだったのに。信じてたのに。
どれほど悩み苦しみ、後悔して泣いたか分からない。
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