蕾~桜の木の下で~
「...聞きたくなかったなぁ。」

これは正直、痛い。
告白されるのがあの秀才でイケメンって
有名な生徒会長なんて。

...まぁ、実際格好良かったし、告白も素敵だった。

長身で黒髪のショートカット、ハーフっぽくて、吸い込まれるような瞳。
俺だったら...間違いなく惚れてる。

「あーあ。」

ダメだよ、唯。
先輩にも同学年にも自然にモテるなんて、最強すぎるよ。

諦めたく、ないんだけどなぁ。

さっきまでの浮かれた気持ちはどこへやら、俺はがっくりと肩を落とした。


「彼方ー。」

浩介の声が聞こえてきたけど、振り返る気力もない。
唯はというと、先輩に告白された場所から動こうとしない。


...きっと、先輩のこと考えてんだろうな。

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