【コラボ】ブラック・メール
まりあの前にもセッテの前にも、弁当箱が置かれる。
それぞれ自宅から持参したそれをつつきながら、セッテはテーブルに置かれた地域情報誌を手にとった。
「これにもチラシ載せてるんですね?」
「そうです。意外に良い宣伝になりますよ」
レストランやカフェ、ネイルサロンや美容院が所狭しと紹介されている。
果てには脱毛サロンの割引クーポンまでついているそれを、セッテはぱらぱらとめくった。
(言ったらあかんけど、こういうのって、毎月載ってる店だいたい一緒やんな)
無料で配布されているそれは、有料の情報誌とはやはり違う。
セッテはあまり期待せずに、それを見ていて……
「ごほっ!」
今いる式場の広告に行き着き、盛大にむせた。