【コラボ】ブラック・メール
「セッテさん、これどうしましょう」
まりあは一つの小包を抱えていた。
「他のお客様との打ち合わせの最中に届いたみたいです。
送り状はよくある運送屋さんのものなんですが」
「ええと……」
静かにテーブルの上に置かれたそれを、二人で覗き込む。
それは何の変哲もない段ボールでできており、あて先は式場、しかしその下に甲斐洋子の名前が書いてあった。
「送り主は」
「確認しましたが、招待客ではありません。
式に出られないご友人が、結婚祝いを贈るというのはよくある話ですが、なぜ式場に送ってくるんでしょう。
ご自宅へ送った方が、確実ですよね?」
「そうですね」
セッテはううん、と首をひねった。
「直接、新婦さんに聞いてみましょう。
この送り主の名前に心当たりがあるかどうか」