【コラボ】ブラック・メール


不安そうな顔をしたまりあに、「変な音もにおいもしませんから、多分大丈夫ですよ」とセッテは笑いかけた。


まりあを後に下がらせ、慎重にガムテープをはがす。


箱には何のトラップもないようで、すんなりと中身が姿を現した。



「また、箱や」



セッテはまた、その中の音を聞く。


そして包装紙を破かないよう、そっとセロテープをはがし、出てきた箱のふたをゆっくりと開けた。



「……ティーカップ?」



そこにあったのは、パッキンに埋まった小さなティーポットとカップのセットだった。


新婚カップルに贈るものにふさわしく、カップとソーサーは2脚ずつそろっていた。


青い花柄で、有名な茶器のブランドの名前が入っている。



「良かった。普通の贈り物でしたね」



ほっとしたようなまりあが近づいてきた時、セッテは異常に気づいた。






< 35 / 90 >

この作品をシェア

pagetop