【コラボ】ブラック・メール
不安そうな顔をしたまりあに、「変な音もにおいもしませんから、多分大丈夫ですよ」とセッテは笑いかけた。
まりあを後に下がらせ、慎重にガムテープをはがす。
箱には何のトラップもないようで、すんなりと中身が姿を現した。
「また、箱や」
セッテはまた、その中の音を聞く。
そして包装紙を破かないよう、そっとセロテープをはがし、出てきた箱のふたをゆっくりと開けた。
「……ティーカップ?」
そこにあったのは、パッキンに埋まった小さなティーポットとカップのセットだった。
新婚カップルに贈るものにふさわしく、カップとソーサーは2脚ずつそろっていた。
青い花柄で、有名な茶器のブランドの名前が入っている。
「良かった。普通の贈り物でしたね」
ほっとしたようなまりあが近づいてきた時、セッテは異常に気づいた。