【コラボ】ブラック・メール


新郎、織田の控え室に、まりあはいた。


新婦の方がヘアメイクに時間がかかるため、先に準備ができた新郎をもてなすというのはよくあることだ。


まりあは式の段取りをもう一度確認しようと、織田にもちかけた。


しかし、織田はその提案を無視する。



「安城さん、この前お話したこと、考えていただけましたか」



この前、とはまりあと織田が二人で会ったときのことだ。


セッテにも瑛にも話しておらず、まりあが一人で忘れようとしていたことがあった。


数日前うっかり、瑛の前で口にしてしまうところだったが。


まりあは休みの日、織田に呼び出された。


相談があるとのことだったから、てっきり式に関することだと思ったのだ。



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