【コラボ】ブラック・メール
「ひどい……」
「あなたがこのことを誰にも話さず、僕と結婚してくれればいいんです。
それで、あなたも洋子も助かるんです」
このひと、おかしい。
まりあはごくりと唾を飲み込んだ。
彼の提案は何一つとして飲み込むわけにはいかない。
どうすれば良いか……
まりあは瑛の用意したインカムをつけなかったことを後悔した。
新婦の不安を煽らないように、配慮したつもりだったのに。
まさか自分の存在が、新婦を危険にさらしていたなんて。
返事をしないでいると、織田はイライラしたように、胸のポケットに手を突っ込んだ。
そして、取り出されたそれは……。
小さなリモコンに、見えた。