【コラボ】ブラック・メール
織田が、チッと舌打ちをした。
一度体を離されたので、距離をおこうとするまりあの後で、控え室の鍵ががちゃりとかけられる音がした。
そして……。
振り向くと、彼の手に不気味な光が宿っていた。
それが注射器だと悟るのに、時間はかからなかった。
「安城さん、お願いしますよ。
あなたが首を縦にふってくれなければ、これを注射します」
「それは……」
「なに、命を奪う気はありません。
顔や手足に麻痺が残る程度の薬品です。
……真実を、誰にももらせないぐらいのね」
「……まさか、カップを送ってきたのも……!」
「そうです、僕です。
今日までは殺すつもりはなかったし、あなたに気づいてほしかった。
でも、無駄でしたね。
そして、洋子はかわいそうですが、死んでもらいます。
これからの僕の人生に、邪魔なだけですから」