小悪魔ちゃん

「桃ちゃん、さすがだね~。
あのモテモテなサッカー部キャプテンをオトした上にフるなんて」


みんなが俺の周りから去った後、馨がニコニコ笑いながらそう言ってきた。


「あぁ……そうだな」

「どうしたのさ、悠」

「いや……アイツ、いつからああなったのかなーって……」

「そういえば、悠と桃ちゃんって小学校からずっと同じなんだっけ」


馨が桃ちゃんと呼んでる奴。

そいつこそが小悪魔ちゃん。

安西桃奈―アンザイ モモナ―

オトした男は数知れず。

だけど、その中の誰とも付き合ったことはない。


桃奈とはアイツが小五の時に俺がいた小学校に転校してきて以来の仲だ。


「桃ちゃんの小、中学生の頃ってどうだったの?
やっぱモテてた?」

「モテモテだったな」


小柄で可愛い桃奈は転校してきた当初から男にモテていた。

その頃から中学まではただ単に周りが寄ってくるだけで、桃奈は全く興味なさそうだったんだけど……


……高校に入ってからだよな、変わったのは。

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