小悪魔ちゃん
それは桃奈が少し大人になって、男というものに興味が出てきたからなのかもしれないけど……
「あ、噂をすれば桃ちゃんだ」
「え?」
馨に言われて前を見ると、登校してきた桃奈がクラスメートと話をしているのが見えた。
「やっぱ可愛いな~、桃ちゃん」
「お前も餌食にされないようにな」
「俺は大丈夫!
桃ちゃん、俺には興味なさそうだし!」
……自信満々にそう言う馨。
それはそんなに得意気に言えることなのか……?
「桃ちゃーん!」
馨がブンブン大きく手を振ると、桃奈がこっちに来た。
「カオルン、おはよ~」
「おはよ、桃ちゃん!」
「悠もおはよう」
「おはよ……」
確かに桃奈は馨のことを男として見ている気はしない。
ただの友達として見ているようだ。