小悪魔ちゃん
悠だけは他の人とは違う。
小学生の時……あたしを助けてくれてからの仲。
好き……だけどこの気持ちを伝えることはできない。
きっと、伝えてしまったら悠はあたしから離れていってしまうから……。
悠はそういう対象であたしのことを見てないって……分かってるから。
……だったら、このままでいい。
このままで……
「あ……」
その時、悠に一人の女子生徒が近づいていった。
あの人は……確か……
悠に笑いかける、その綺麗な顔を見て思い出す。
そうだ……宮山さんだ。
すごく美人で有名な人。
……本当、同じ女のあたしでも見惚れるぐらい綺麗だな。
……あたしは宮山さんと話す悠の顔を見た。
楽しそうに話す悠。
……悠、ああいうタイプ好きだもんね。
……あたしはそっとその教室から離れた。