小悪魔ちゃん

悠だけは他の人とは違う。


小学生の時……あたしを助けてくれてからの仲。


好き……だけどこの気持ちを伝えることはできない。

きっと、伝えてしまったら悠はあたしから離れていってしまうから……。


悠はそういう対象であたしのことを見てないって……分かってるから。


……だったら、このままでいい。


このままで……


「あ……」


その時、悠に一人の女子生徒が近づいていった。

あの人は……確か……


悠に笑いかける、その綺麗な顔を見て思い出す。


そうだ……宮山さんだ。


すごく美人で有名な人。


……本当、同じ女のあたしでも見惚れるぐらい綺麗だな。


……あたしは宮山さんと話す悠の顔を見た。

楽しそうに話す悠。


……悠、ああいうタイプ好きだもんね。



……あたしはそっとその教室から離れた。

< 41 / 71 >

この作品をシェア

pagetop