小悪魔ちゃん
「いつから好きなの?」
「……関係ないです」
「あるよ」
「ないです」
「だって、さっき言ったじゃん。
桃奈ちゃんに興味あるって」
「それが何な……」
「俺と付き合ってみない?」
…………はい?
あたしは思わず聞き返しそうになってしまった。
目を見開いたまま先輩の顔を見つめると、先輩はおかしそうに笑った。
「ははっ、その顔サイコー」
「……からかわないでください」
「からかってないよ。
本気」
「本気って……」
「俺、桃奈ちゃんのことずっと見てたんだよね。
噂聞いてから気になって仕方なくて。
それで、最近暇さえあれば一年生の教室覗いてたんだよね。
そしたら好きになっちゃったみたい」
みたいって……。
「まだ会って十分も経ってまけんけど……」
「うーん、確かに桃奈ちゃんはそうだね。
でも俺はいろいろな桃奈ちゃんの姿見せてもらったからさ」