小悪魔ちゃん
自分は間違った方向に足を踏み出しつつある。
そう分かっていても、今のあたしには止める術はない。
ただ、楽になれる方を目指して進むことで頭がいっぱいで……
他に何も考えられなかった。
「え……先輩、一番上なんですか?」
「そうだよ。
弟と妹がいるんだ。
……あれ、俺ってそんなにお兄ちゃんぽくない?」
「ぽくないです!
むしろ末っ子って感じですよ」
「えー。
これでもいいお兄ちゃんしてるんだけどなー」
先輩は話が上手い。
だから話してると意外に楽しかったりする。
「……先輩」
「んー?」
「先輩はどうしてあたしとこんなゲームしてるんですか?
……こんなことしなくても、先輩ならいくらでもモテそうなのに」
あたしがそう尋ねると、先輩は一瞬驚いた顔をして……でも、すぐにいつもの笑みを見せた。
「だから言ったでしょ。
俺は桃奈ちゃんが好きなんだって」
先輩はいつもストレートにあたしが好きだと言う。
だけど、やっぱりその言葉はどこか信用できなくて……。
……すぐにあたしは痛い目を見ることとなる。