小悪魔ちゃん
先輩はあたしの様子を見てクスッと小さく笑った。
「あれ、傷ついちゃった?
ごめんね」
「何で……」
「ん?」
「何でこんなこと……。
……あのゲームが原因ですか?」
あたしがそう聞くと、先輩はニコニコ笑いながら口を開く。
「関係ないよ。
だって俺、別に桃奈ちゃんのこと好きじゃなかったし」
……それは何となく察してたけど……
でも……
「俺ね、人の傷ついた顔見るのが好きなんだよね」
「……え?」
あたしは先輩の言葉に少し驚く。
先輩はそんなこと気にせずにどんどん続ける。
「桃奈ちゃんのこと初めて見た時ね、この子苦しそうな顔してるなって思ったんだよね」
「え……」
「何でか気になって、何回か観察してる内にあの彼のことが好きなんだって気づいて。
そんで一週間ぐらい前、ここで桃奈ちゃんと初めて話したでしょ」
……あたしが悠にカラオケに誘われて断った日………。
「桃奈ちゃん、すげぇ辛そうな顔してたよ。
それでね、俺思ったの」
先輩は気持ち悪いぐらいににこやかに笑った。
「この子がもっと傷ついたらどんな顔するのかなー……って」